イメージ画像

請負契約書で作成してもあまり意味がない条文


請負契約書の作成を依頼された方が使用していた請負契約書の雛形というものを見せてもらいました。

そこで気づいた点について書いていきたいと思います。

「当事者は、相手方の書面による承諾を受けなければ、この契約から生じる自己の権利又は義務を第三者に譲渡し、若しくは引き受けさせることはできない。」

雛形をそのまま写しました。

よくある権利義務の承継の規定です。

日本語の使い方がおかしいです。

もしくはのところはまたはと使うのが正しいかと思います。

法律用語ではまたはともしくはは使い方をわけます。

もしくはの方が小かっこ、またはの方が大かっこと考えるといいかと思います。

こちらを参考にしてみてください。

http://q.hatena.ne.jp/1156521074

「施工のために第三者に損害を生じたときは、乙がその賠償の責を負う。ただし、その損害の発生が甲の責に帰すべき事由によるときは、甲がその賠償の責を負う。」

これも雛形にあった記載です。

注文者と請負人との間で確認するという意味ではこのような規定をおいてもいいのかもしれませんが、法律的にはあまり意味のないきていです。

なぜなら、注文者は施工に関係ないのですから損害について責任を負わないのは当然だからです。ただし書きは責任がある場合は責任を負うという当たり前のことを規定したにすぎません。

このような規定を置くのであれば、例えば乙に故意又は過失がないような場合は、甲及び乙の間で賠償額を分担し合うというように規定してしまえば乙側には有利になるかと思います。

「天災その他甲乙いずれの責にも帰することのできない不可抗力によって工事の既成部分、工事材料に損害を生じたときは、乙は、事実発生後速やかにその状況を甲に通知する。」

これも雛形をそのまま写しとりました。

正直なところこのような内容であれば規定しないほうがいいのかもしれません。ここで規定されていることは、単に状況を通知するというだけで具体的なことは何も決まってないように読み取れます。

契約なのですから、このような場合に損害を折半しようなどと言うことまで突っ込んで規定するほうがいいように思います。

「この契約について紛争の生じたときは、当事者双方又は一方から相手方の承認する第三者を選んでこれに紛争の解決を依頼するか又は建築業法等の定める解決方法による。」

これについても具体性が欠けていると言わざるを得ません。

せめて第三者を特定してあれば良いのですがそれも特定されておらず漠然としていますし、建築業法などと書いてありますので法律すべてが適用されてしまいかねません。

そうすると何も決まっていないということになります。

それであれば、通常定めるように裁判管轄などを定めておけばいいと思います。

次のような感じです。

「本契約は日本法に基づき解釈されるものとし、甲乙間の協議によっても、本契約に関する紛争が円満に解決できない場合は、甲および乙は、東京簡易裁判所または東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所として紛争を処理するものとする。」

以上、雛形を見つつ漠然と感じたことを書いてきましたが、このように雛形はそのまま用いると妥当とも言えないという部分もありますのでお気をつけください。

契約書についての相談は無料です。

TEL:0775354622(9:00~19:00)

当事務所が行っている契約書作成チェック業務の案内はこちらから。

メールは契約書作成相談所メールフォームまたは、umisoragyousei@gmail.comまでメールしてください。

このエントリーを含むはてなブックマーク Buzzurlにブックマーク livedoorクリップ Yahoo!ブックマークに登録

トラックバック&コメント

この投稿のトラックバックURL:

コメントをどうぞ

このページの先頭へ